安静にしているときにエネルギーを消費してくれる基礎代謝は、1日に摂るめやすとされているカロリーの7割を占めると言われています。基準値がどのくらいで、自分の基礎代謝の量がどのくらいあるのか知っておきたいですよね。
でも、その計算方法は1つではないことをご存じでしょうか。なんと計算方法は5つもあるんです!
5つあったらどれで計ればいいのか・・悩みますよね?正確に測るにはどれがベストなのか調べてみました。
基礎代謝量の計算式とは?
基礎代謝の計算式は1つだけではありません。基礎代謝量は筋肉量に左右されて変化します。
そのため、性別や年齢によって基礎代謝量が異なります。一般的に男性は女性より筋肉があるので基礎代謝量も多くなりますし、成長期の若者のほうが大人やお年寄りに比べて基礎代謝量が多くなります。
とはいえ、同じ年代の同性の人でも、日本人とアメリカ人では体格がまったく違います。筋肉のつきやすさなども異なるでしょう。
この点を見れば、性別と年齢という単純な軸だけで、基礎代謝を計算するのは少し無理があるように感じませんか?
それが理由というわけではないのかもしれませんが、そうした人種などによる差異を考慮して計算式が改良をされたり、データ収集がなされたりしてきました。その結果、複数の計算式が現在では存在することになったのです。
基礎代謝の計算式は5つも!?
では、基礎代謝の計算式はどのようなものがあるのでしょうか?
現在主に使われることのある計算式は5つあります。
1.厚生労働省が定めた計算式
「基礎代謝量=基礎代謝基準値×体重(kg)」
厚生労働省は年齢を軸とした男女別の基礎代謝基準値を定めていて、その数値を使った計算方法です。
2.ハリス・ベネディクトの計算式
男性: 「66.47+(13.75×体重)+(5.00×身長)-(6.78×年齢)」
女性: 「655.1+(9.56×体重)+(1.85×身長)-(4.68×年齢)」
健康な人が安静状態で必要とする基礎エネルギーを計算する式です。もともと欧米人を対象にした計算式のため、日本人がそのまま当てはめると高めの数値が出る傾向があります。
3.ハリス・ベネディクトの計算式(改良版)
男性:「66+(13.7×体重)+(5.0×身長)-(6.8×年齢)」
女性:「665.1+(9.6×体重)+(1.7×身長)-(7.0×年齢)」
4.国立健康・栄養研究所の計算式
「基礎代謝量=(0.1238+(0.0481 ×体重kg)+(0.0234×身長cm)-(0.0138×年齢)-性別指数※)× 1000 ÷ 4.186 」
※男性=0.5473、女性=0.5473× 2
2000年以降に測定した日本人のデータを基にした比較的新しい計算式です。いろいろな体格の人に当てはめることができます。
5.国立スポーツ科学センターの計算式
「基礎代謝量=28.5×除脂肪体重」
※除脂肪体重=体重-脂肪量 脂肪量=体重×体脂肪率
計算のために体脂肪率が必要となるのが特徴的ですね。あらかじめ体脂肪率が測定できる体重計などで把握しておかなければなりません。
基礎計算式5タイプを比較!
基礎代謝量は1日の消費エネルギーがどれくらいあるかの目安になります。ですから、自分の基礎代謝量を知ることで、ダイエットの期間や目標とする体重を決めるひとつの指針にすることができるのです。
では、先ほどご紹介した5つのタイプはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。日本では厚生労働省が定めた計算式が用いられることが多いようです。
国として定めている健康に関する基準ともいえますから、日本人にとっては当てはまりやすいという面もあるのではないでしょうか。
一方で、ハリス・ベネディクトの計算式はそもそも対象が健康な欧米人ですので、日本人が基礎代謝量を把握するというのは難しいと考えられます。
そういった点で改良版は日本人向けになっているのですが、体重と身長のみで筋肉量は考慮されないので、普段から運動量が多く筋肉質なタイプの人には不向きな計算式です。
国立健康・栄養研究所の計算式は近年の日本人のデータに基づいて作られた計算式ですので、現代の日本人にとってはすんなり受け入れやすい結果が出る確率が高いと考えられます。
スポーツ科学センターの計算式ではあらかじめ体脂肪率を調べておかなければならないのですが、正確な基礎代謝を算出するには体の組成をきちんと把握することは重要なポイントになってきますのでそういった観点では正確性を重視する方には適した計算式といえるでしょう。
このように、計算式それぞれに特徴があります。自分の重視したいポイントに沿って計算式を選ぶのもよいですし、それぞれで計算してみてどのくらい違いが出るかをくらべてみるのも面白そうですよね!
【参考】
正確に測るにはどれがベスト?
いかがでしたか?健康に関心がある方やダイエット中の方は「基礎代謝」というワードはよく耳にしますよね。
基礎代謝量を測るための計算式がいくつもあることにびっくりしたという方もいるかもしれません。
計算式により違いがありますが、4.国立健康・栄養研究所の計算式が使いやすいのでは?と思います。
手軽なのは基礎代謝量が計れる体重計で測定することです。
計算式ごとの違いはあるものの、自分の基礎代謝量をはっきりとした数字で知ることは、生活習慣を見直すきっかけのひとつにもなります。少しでも興味が沸いたという方はぜひ健康的な生活への第一歩を踏み出してみませんか?
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